いよいよ退院へ     最終話

入院も50日を越えて
この時に問題になっていたのは
おしっこが出ないのと
リハビリ中に出だした不整脈です。

不整脈は24時間の
フォルダー心拍器を着け検査をし
調べてみるとそれほど心配ないとの事

残すはほとんど出ないおしっこです。

膀胱がおかしいのかと
バルーンをいれ検査しましたが
膀胱にはまったくおしっこがないので
腎臓の問題だという事です。

しかし血液検査では
まったく異常がないらしいので
こっまったものでした。

この頃になると
リハビリにいっても
『もう退院ですね』という話題に

たしかに良くはなってきているが
前の時に比べて問題が多く残っており
傷のあたりの痛さも尋常ではなく
おしっこの量も300mlを越えません

しかし先生からは
『そろそろ退院を』と言われ
もしなんだったら外泊届で
家に帰ってみたらと提案されました。

そんなに帰したいのかと思いつつ
23日頃になるとおしっこが
急に600ml位でるようになり
日に日に増えていき
そこで退院が28日に決定しました。

最大の不安材料だった
おしっこさえ出ればあとは
痛さはがまんでなんとかできます(笑)

そして術後52日で退院できました。
58日の入院で保険適用前の金額で
1000万を超えていてビックリしましたw

それにしても高額医療免除はすごく
支払が20分の1くらいになりました。

予定通り28日には退院しましたが
1か月半後に今度は血を吐いて
また入院する事に実はなります。

喉の調子が良くない

喉の手術から12日が経ったが
昨日から首に傷あたりが少し熱を
もっている感じがする。

相変わらず薬を飲んだ後に
吐き気が襲うし
常に違和感が取れません

声はきちんと出ているのが
せめてもの救いだが
調子はとても良くありません

水曜日い定期検査なので
それまでに悪化しないことを祈ります。

ICUをでたら      第23話

個室に移り幻想からは
その日からさよなら出来たのですが

ICUと一般病棟では看護師さんの対応が
全然違って来るので色々大変でした。

ICUは2人に1人の看護師さんが付いているのに
一般病棟だと10人に1人の割合に

食事の時はほとんど固形物が食べれずに
プリンみたいなものを食べさせて
もらっていたのに

お粥に通常のおかずを出されて
自分で食べなくてはならず

いきなりではもちろんまったく食べれず
残すと怖い看護師さん(笑)が
『食べなければ良くなりませんよ』と

そんな事わかっているが
食べれないものは食べれないよ〜
と思っても文句を言う元気もないので
点滴を打ってもらって寝てるだけです。

そして5日後には大部屋へ移され
その頃にはトイレまではなんとか歩ける
ぐらいには回復してきました。

しかし食事は相変わらず食べれず
3分の1くらい食べるのがやっとでした。

あと見た目に肌がまっ黄色で
テッシュで拭くとカレー粉みたいなものが
付くんじゃないのかと思えるほどでした。

黄疸がなくなって来るのに合わせるように
少しずつ食事が取れてきたので
やっと点滴が抜けましたが
今度はおしっこがまったく出なくなり

水分は1日に1リットル以上はとっているのに
おしっこは150mlくらいしか出ずに
原因も不明でしたが様子をみることに

昔の開胸手術はそんなに傷が痛くなかったが
今回は切った肋骨から背中そして腹まで
ずっと激痛に襲われていました。

大部屋に移って2週間が過ぎた頃になると
そろそろ退院と言う話が出てきたのですが
親が病状が納得いくまで回復しないと
退院するんじゃないと言う事で

先生と相談なのですが
担当の片山先生がなんと9月から移動
になると急に聞かされ戸惑いました。

そして20日には先生はいなくなり
担当者不在で心配な入院生活が続きます。

アリスの話の続き     第22話

両手を拘束され
3本の点滴に人工呼吸器を着けられ
まったく話す事が出来ない
状態で10日間ぐらい
アリスインワンダーランドの幻覚に
毎晩襲われていました。

今回は術後の痛みが半端なくすごく
あまりの辛さに幻覚で殺されそうになった時に
抗うのをやめて死んでしまおうと思ったのですが
もちろん死ぬわけがなく

また幻想の繰り返しです。

今書きながらその頃
もう一つの幻想にも苦しめられていたのを
思い出しました。

そちらは幻覚というより悪夢で
ほぼ、うとうとしている時に見ており
出てくる風景は山の近くの町に
港の工場とその近くの飲み屋さん

超能力を持っているグループが出てきて
自分は今はその記憶がないんだが
そのグループに入っており
なんか裏切って追われている
みたいな設定でしたw

いっつも場面は夜で追い詰められて
たとえ元気になってもずっと逃げられない
と言われたのを思い出しました。

そして能力者同士での戦いの日々ですw


アリスの話にもどして
幻覚で一番派手だったのは21時を過ぎて
消灯時間になり部屋の明かりが
少し暗くなると始まるショー!?です。

まず霧が立ち込めてきて
真ん中の先生方の机の後ろのガラスの奥に
得体のしれない化けものが現れ
次に各ベッドの上にある天窓が開き
上から化け物が下りてきて
ベッドごと上に運んで行ってしまいます。

今日は隣の人だ…
昨日は左前の方の人だったと
そしてとうとう自分の番が来て
上にひっぱりあげられると
屋上にはレールが引いてあり
周りにには沢山の見物人がいるではないですか

そして僕の前にもレールに繋がれて
回っている人がおり
その人はなんとだんだん風船のように
『プ〜〜〜〜』とふくらんでおり
そして5mくらいまで大きくなったと
思ったら『パンッ!!』と割れてしまいました。

すると観客からの奇声が飛び交います
そうです。みんなは破裂するのを
楽しみに見にいているのです。

そしてその後ろを流れている自分にも
首からの点滴の管より空気が注入され
だんだん膨らんで来たのでした。

その時足の先になにか痛みを感じ
見てみるとなにかが刺さっており
そこから空気がシューーーと
抜けて行くではありませんか!

そして1周してもとの位置にもどり
下に戻されてホッとしていると
看護婦さんが来て
『次は逃がさないからね』と言われ
先生に筆談でその内容を説明して
助けて下さいとお願いしていました。

今考えるとこんな狂っていた俺の話を
先生はよくきちんと聞いてくださっていたなと
頭のさがる思いでいっぱいです。

『三輪先生本当にありがとうございました。
そしてすみませんでした』

そんな幻覚もなでしこがワールドカップ
優勝した頃にはだいぶなくなり
正気の時間がだいぶ増えてきました。

しかしもう大丈夫かなと思ったやさきに
新しくICUに入ってきた人が同時に2人も
ICUシンドロームで騒ぎだしたのでした。

そうしたらなんとほとんどなくなっていた
自分の幻想もなんと復活してきたのでした。

2日目、3日目とだんだんひどくなってきて
このままだとまた戻ってしまうと思った私は
先生にICUから出してもらう事を懇願しました。

せめて正気があるうちにと…

しかし体はまだ出る状態にまで
達しておらず、UHCも空いていないと
いうことで先生も悩まれていましたが
なんとか重症者個室に移動になりました。

そしてここから劇的に心も体も回復して
いくのでありました。


そしてこの話もたぶんあと1話で
とりあえずの終わりになりそうです。

最後はあとの退院までの5週間を
書きたいと思います。

反回神経麻痺の手術と術後

最後に今回の手術の記録を
残しておきます。

まず手術時間ですが
時間としては2時間位と言われ
やってみたら2時間半かかりました。

手術の方法は以前書いたので省略しますが
部分麻酔なので術中の事を少し

まず点滴にて軽〜く全身に麻酔をし
首に注射にて麻酔をしました。

これが痛いと思っていたのですが
思ったより痛くなくて『ほっ』としたのでしが
まず態勢が辛くなりました。

喉の手術なので首を上げる感じで
手術台に寝ており
緊張と変な態勢とで息がしずらく
唾も飲み込みずらい状態です。

そして2時間半意識がきちんとあって
ず〜と手術を受けているのはほんと大変でした。

もちろん先生の話が全部聞こえているので
先生同士の会話からいろんな推測が出来て
余計にドキドキしました。

先生方が『あ 動脈ですね〜』と言われ
お願いします、切らないでくださいね。とか

『ここですかね〜』と話していて
えっ 場所がわからないんですか? とか
ツッコミどころ満載でしたw

あとは術中に痰がからんで
2回ほど吐きそうになり大変でした。

そして最高の山場のゴアテックスを入れる時
声を出すのですが
この時今までと全然違う
とても良い声が出るので感動します!

そして声を出すときに
喉がすごく振動するにビックリしますw

そしてそこから先生の
『終わりましたよ』の声を聞くまで
またず〜とがまんですw

『○○さん、終わりましたよ』が
本当に本当にうれしかったです。

そして術後すぐに病室に運ばれ
僕の場合は1晩苦しんだのですが
順調なら晩御飯の流動食を食べれるらしいです。

一晩苦しんでいる時
唾をのむのもすごく痛かったので
朝食は無理かと思ったのですが
いざ食べてみたらそれほど痛くなく
食べれたので回復も早かったです。

その後3日間の発声禁止時間を経て
経過によって声を出して行きます。

2日目にリハビリの先生に
明日から話せるのが楽しみと
メモに書くと
『でも5分だけですよ』と

え〜〜〜〜〜〜〜〜〜と言う感じでしたw

しかし3日目に先生の診察を受けると
まったく腫れも出血もないので
普通に話していいですよ、と言われ
よろこびました(*^。^*)

その後の退院までの5日間は
本当に平和で穏やかな日々でした。

娘が3度もお見舞いに来てくれ
それも嬉しくよかったです。

そしてなにより普通に話が出来るこの喜び!

駒澤先生本当にありがとうございました
と感謝の気持ちでいっぱいです。

6時起床w

入院していた時の
起床時間に起きてしまいました。

8日間もしていた
生活リズムは案外身につきますw

入院の話にもどり
三田病院での入院生活は
術後の苦しかった1晩を除けば
快適の一言でした。

まず食事が今までの病院に比べ
とてもおいしいです(*^。^*)

味はやはり全体的に薄いのですが
小鉢などの1品にわさび和えなどの
味の強いものをいれてあり

あと、やさいがやはり多いのですが
温野菜で味付けもダシを利かせたりと

本当にいやいや食べずにすんだので
それだけで入院のストレスが
かなり少なくすみました。


快適ポイント2はトイレです。
各部屋の出入り口になんと付いているんです

食事後に大をするために
前の病院だと列になり待たねばならず
術後で長く立ってもいられず待つのがとても苦痛でした。

それが最大、部屋の4人しか入る人がいないので
誰か入っているとベッドで待ってられます。

そしてたくさんの人が待っていないので
ゆっくり用が足せるのもよかったです。

快適ポイント3は収納です。
今回は比較的短かったのでまだよいですが
長くなるほど色々と置いておく物が増えるのですが
それをきちんと整理して入れておく事ができず
不自由な体で物を出し入れしなくては
ならなかったのですが

ここは身の丈位のクローゼットがベット横にあり
棚で小さ目が4段、引出1つに下部に大きい棚2段
そして洋服がハンガーで収納できる所
その全て引き戸がついていました。
使い勝手が良くいつも整理できて
本当によかったです。

そして最後は景色ですw
前に書いたですがラウンジからは
東京タワーにスカイツリーが見えます。
病室が9階だったので夜景もすごく綺麗でした。

またなにかあったらあそこに入院したいと
本当に思わせる病院でした(^^ゞ

10日ぶりの我が家

声帯麻痺の手術より
やっと帰って来ました!

手術は無事成功して
以前と変わらぬ大きさの声が戻りました。

声質は少し低くなりましたが
2オクターブきちんと声が出ており
先生に『大成功です!』と
言ってもらいました。


しかしすべてが
うまくいっていた訳ではなく
手術後に全然息がきちんと出来ず
一晩中一睡も出来ませんでした。

ず〜と自発的に息を
吸って、吐いてをしないと
呼吸が出来ないで舌の奥が
喉に詰まってしまいそうな
感覚におそわれていました。

そのとき自分としては
手術の時に今度は
舌の神経かなんかをさわってしまい
また麻痺になってしまうのかな
と言う不安とも戦っていました。

そして呼吸をすると
『う〜〜』と言ういやな音が出て
同室の方に深夜なのに
うるさくて悪いなという気持ちと
調子の悪さで最悪でした。

そして色々な点滴をしてもらって
3種類目の点滴で舌が詰まる感覚が取れ

翌朝にはおだやかに
呼吸が出来るようになりました。

結局原因は喉に痰が
ずっと詰まった状態が続いて
呼吸がしづらくなっていた
のではないのかという事でした。

まだ話が続くので
次回にあと9日の入院生活を書きます。