妄想の世界    第四話

1度目の時の妄想は担当の先生ともう一人の先生が
血液の密売をしていてそれを知った自分の命を狙っている

という突拍子のないもので
その事を両親にも知らせてしまったので
途中で両親は殺された事になってました。

丁度その頃ICUからHCUに移されたのですが
逃げ出したくて点滴や排尿用のバルーンがついたまま
病室から出て、廊下にいた外来の患者さんに
『助けてください!』とお願いしていたという
とても恥ずかしい事もありました。

そして命を狙われてるので点滴や注射をされる時は
いつもこれで殺されてしまうなと思いつつ受けてました。

一時は抵抗しようと枕の下に箸を隠し持っており
それで先生を刺さないで本当によかったなと思います。


更なる妄想は続き新しい友達が出来たのですが
その人達は誰か人が居るとかくれてしまい
誰もいないと出て来て自分を励ましてくれました。

面会に来てくれた人によく
『紹介するから出て来いよ』と言ってました。
今、思うとおかしい光景ですね

あと夜になると病院が動き出すとか
暴走族となぜか街を暴走するとか
今考えるとハチャメチャでした。

そして娘が初めて見舞いに来た時に
正気に戻ったらしいです。
母があと3日あのままだったらこっちが狂っていたと
後日言われました。

周りの人からすると迷惑な話ですが
本人は真剣に妄想と戦っていたので
ほんとうにやっかいなものです。

しかし2回目のICUシンドロームはもっとひどく辛い
そして死にたくなる程のものでしたが
それは順をおって後日に書いていきます。