10月11日        第十話

あの日は9時頃に起きて
トイレに行って風呂にお湯を入れる用意をして
ソファーベットにうつ伏せに寝て
他愛のない話を妻としている時でした。

急に腰に水滴が落ちるような
1点を針で刺されそこから放射線状に
丸い波が広がるように
『ピーーーーン』となにかを感じました。

そして今度はそこの奥から
強い鈍痛が襲ってきました。

その日は仕事が5連勤目で
さらに月曜日は新譜CDの売り場展開日なので
絶対に休む訳にいかず

なんなんだよこの痛みはと…
始めは思って我慢していました。


しかし2時間経ってもいっこうに収まらず
むしろ痛みが増している感じが

そしてもう痛いのが腰なのか腹なのか判らず
そこでなんと風呂に入るという暴挙にでたのです。

しかし風呂に入ると正確にいうと浴槽につかると
痛みが半分位になり我慢できる位にまでになり
これなら仕事に行ける!と
よろこび風呂を出て着替えだすと

またドーーーーンと来て
今度は完全に動けなくなりました。


ここで千葉西の担当の先生に電話をし
直ぐに来てくださいと言われ
救急車を呼んだのですが
ここからではあまりにも遠く
(実は今住んでいる所は車で2時間近くかかる)

こんだけ痛がっている人を運べないとの事で
近くの済生会病院に運ばれ検査したところ

CTの大動脈の写真が今まで見たことないような
3箇所に分かれた断面図になっており
これを見た瞬間に
『あっ また裂けたんだな』と確信しました。

そして痛さの為に血圧が200以上に上がって
いるのでまず痛さを取る為にモルヒネ
投与されたのですが

これが打った瞬間に『すぅ〜』と痛さが消えて
ビックリしました!!

そこからまた1時間半の救急車の移動が
すごくきつく疲れました。

なんであんなに乗り心地がわるいのか
絶対にサスペンションとかを救急車は
変えたほうがいいなと思いながら乗ってました。

そして着いたら片山先生が今まで見たことのないような
きびしく悲しげなな表情で迎えてくれたのを
はっきりと覚えています。


そしてこの顔を半年後に
もう一度見ることになるのでした。