キンモクセイの香り   第八話

今も忘れないのは退院して
実家に着いて車のドアを開けると

キンモクセイの香りが鼻の中に広がりました

そして『あぁ 生きてるんだな』と
感じて涙がでました。

それからというもの今まで思わなっかた
小さい事でも生きてるんだと感じ

しばらくは感謝して暮らしていました




人とは忘れていく生き物で
だんだんその思いも薄れていき

げんきになるにつれ
もとの破天荒な自分に戻っていき

その事がまたこの病気の再発に
繋がっていってしまうとは

今となっては悔いても悔いきれない
悲しむべき現実でした。